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『散歩する侵略者』

イキウメ『散歩する侵略者

東京公演・シアタートラム10月27日(金)~11月19日(日) 

 

あらすじ

海に近い町に住む、真治と鳴海の夫婦。真治は数日間の行方不明の後、まるで別の人格になって帰ってきた。素直で穏やか、でもどこかちぐはぐで話が通じない。不仲だった夫の変化に戸惑う鳴海を置いて、真治は毎日散歩に出かける。町では一家慘殺事件が発生し、奇妙な現象が頻発。取材に訪れたジャーナリストの桜井は、“侵略者”の影を見る_。

 

2週間前に見た『関数ドミノ』で前川さんの作品を知り、STAGE LEGENDという舞台をテレビで放送する番組で『聖地X』を見て劇団員を知り、今回『散歩する侵略者』を観に行きました。

 

とても面白かった。作品を見終わったあと余韻が非常に心地良くて「概念」について考えさせられた。この侵略者たちは地球を征服するために調査をしに来た、と。そのために人間たちの持つ言葉ではなくて「概念」、その言葉に対するイメージを奪う。その「概念」を奪われた人間はその言葉とイメージが結びつかずおかしくなってしまう。「概念」は様々なものと繋がっているため、その部分がすっぽり抜けると人間は壊れてしまうということだ。

 

概念

(広辞苑より)

事物の本質を捉える思考の形式。事物の本質的な特徴とそれらの連関が概念の内容。概念は同一の本質を持つ一定範囲の事物に適用されるから一般性を持つ。例えば人という概念の内包は人の人としての本質的特徴であり、外延はその特徴を持つあらゆる人々である。

(明鏡国語辞典より)

個々の事物から共通する性質を抜き出しそれらを総合して構成する普遍的な表徴。言語によって表され、内包と外延を持つ。

 

このように複雑に絡み合う思考回路の一部を抜くという特徴を持つ"宇宙人"がある日やってきた。この物語はミクロな目で見ると、ある夫婦、この世の中どこにでも起こりうる凄惨な殺人事件、マクロな目見ると隣国との軍事対立、"宇宙人"が地球を侵略してくる、という風に見ることができる。人間の思考回路のように現実も複雑に絡み合っていて簡単には色々解決はしない。戦争もしてはいけないとわかっていながらも気がついたらせざるを得ない状況になっている、現在の日本の置かれている状況にリンクしてるように見える。

 

便宜上"宇宙人"はどんどん「概念」を奪っていく。平和、所有、自分と他人、悪魔、などなど。ネタバレになりますが最終的に奪おうとしたのは「愛」。それを奪った"宇宙人"は「愛」を知り、侵略するか否かを聞かれ、

『僕にはもうわからない』

と暗転し終わる。戦争、宗教、平和他の何よりも愛が解決するのだ。

 

 

とつらつら書いてたんだけど途中でやめちゃってなに書いていいかわからなくなったのでここらでやめておきます。とにかく今年見た舞台の中で2番目くらいに面白かったイキウメ。オススメです。